「月はなぜ地球に落ちてこないの?」リンゴは地面に落下するのに月が落ちてこない理由を説明できますか?

「月はなぜ地球に落ちてこないの?」リンゴは地面に落下するのに月が落ちてこない理由を説明できますか?

悠久の歳月を超え、常に地球の上にある月。当たり前ですが月は地球に落ちてきません。リンゴは樹から落ちるのになぜ?

月が地球に向かって落下しないのは当たり前ですよね。
でも月も地球もお互いに引力の影響を受けています。ニュートンはリンゴが落下するのを見て万有引力を発見したと言われますが、地球の引力で月はなぜ落下せずに地球の周りを回り続けているのでしょうか?

宇宙が無重力空間だから浮いてるのでしょうか?
自ら落ちないよう動いているのでしょうか?
「お父さん、なんで月は落ちてこないの?」そんな素朴な疑問にあなたは答えられますか?


結論:月は落下し続けている

実は月は落ちてこないのではなく、地球に向かって”落ち続けて”いるんです。
しかし、地球が”丸く”、さらに落ちるスピードが速すぎるため、地球に着地する前に元の位置に戻ってきてしまうのです。

この、落下して元の位置に戻る運動を繰り返し続け、結果地球の周りをぐるぐる回り続けることになってしまいます。
宇宙空間は大気がないため、空気摩擦も発生せず、月は隕石が衝突するなど外から大きな力を加えられない限り「慣性の法則」によって等速度の落下運動を続けます。

地球が太陽に落下しないのも同じ法則です。

慣性の法則・・・外から力が作用しなければ,物体は静止または等速度運動を続けるという法則。 ニュートンの運動の法則の1つで,運動の第一法則ともいう。 運動の現状をそのまま保持しようとする物体の性質を慣性という。

出展:コトバンク 慣性の法則

この説明だけだとなんだかイメージが沸かないですよね?
以下のような例えで説明してみます。

例えばボールを遠くに向かって投げると、ボールは放物線を描いて落下します。ボールを投げた運動エネルギーに対して、地球の重力により落下します。

このボールを投げるスピードが速くなればなるほど、ボールは地面と平行に飛びますよね。
もし、地球が丸くなく、地面が果てしなく続いているのであれば、どれだけ速くボールを投げてもいつかは地面に落下します。

しかし、地球は丸く地面は曲面ですので、ボールが落下する角度より、地球の曲面の角度の方が深ければ、ボールはいつまでも地面に到達しません。
そして地球を一周していつかボールを投げた場所に戻ってくるでしょう。
ボールは外部から力をかけられない限りその運動を繰り返し続けます。

つまり、ボールが重力で落ちる距離と地球の曲面の角度が釣り合うと、回り続けます。
逆に速すぎると重力を振り切って地球の外へ飛んでいってしまいます。

もちろん地上は大気があるため、空気摩擦が発生し、ボールはいつかは落下するのですが、月の存在する宇宙には大気が存在しません。

月の公転速度である時速3682.8kmは地球から受ける引力と、地球の曲面角度が釣り合い落ち続けているのです。

人工衛星や国際宇宙ステーション(ISS)も同じ理屈で地球の周りを回っています。ISSでいうと月より断然地球に近い場所(高度約400km)にあるため(月は約38万km)、地球の引力を多く受けます。そのため月より速い時速約2万7500kmものスピードで回っています。

ISSの高さはまだ大気の摩擦の影響を受けるため、定期的にロケットエンジンを噴射して軌道を修正しています。

月が地球に落下しない理由まとめ

  • 月は地球に向かって落ち続けている
  • 月の公転速度と、地球の曲面角度が釣り合い、月は地球に落下する前に元の位置に戻る
  • 宇宙空間には大気が無いため、空気摩擦などの外からのエネルギーがかからない
  • 慣性の法則で、物体は等速度運動をし続ける

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