「なぜ海は青いの?」大人のあなたは適切に説明できますか?

「なぜ海は青いの?」大人のあなたは適切に説明できますか?

子供から容赦なく投げかけられる素朴な疑問の中でも上位にランクインするのではないかと思われる「お父さん、なんで海は青いの?」

遠く大海原に広がる深い青。沖縄や海外のビーチリゾートで見られる美しい紺碧の水面。場所によって様々な色彩を放つ海面はなぜ青いのでしょうか?

水は透明のはず。浜辺の浅い海は透明ですよね。そして夜の海は黒い。なぜ日中に見る海は青いのでしょうか?

水平線まで広がるキレイな紺碧の水面


結論:光に含まれる青色だけ、海の水に吸収されず海底に反射するから

よく「空が青いから」という答えがちですが、これは一因でありますが正しくありません。水面が夕暮れの太陽を写すように、青の空を写す効果はありますが、直接的な原因ではありません。

太陽から発せられる「光」は目に見えませんが、7つの色で混ざり合って構成されています。
「 赤色・橙(だいだい)色 ・黄色・緑色・青色・藍(あい)色・紫(むらさき) 色」の虹色が光を構成する色、つまり虹色です。それが混ざり合い光は白(透明)に見えます。

光は色々な物質・素材に反射し、それらの性質によって光を構成する7色を吸収したりしなかったりすることで物体の色が決まります。

海の水はその性質から7色のうち、青色以外の色を吸収してしまうので、青だけが水の中を通り抜けて海底に反射し、跳ね返ってきた青の光が人間の目に入ってくるため青く見えるのです。

光の色はそれぞれ波長が異なり、海底までたどり着く波長を持っているのが青色なのです。

深い海は濃く、浅い海は透明に、汚い海は濁って見える


青く見えない海

海底に跳ね返った光が人間の目に入るので、水深が深ければ深いほど光が届かなくなっていくので海の色は濃く見えます。なので、浅瀬から沖にいけばいくほど色が濃くなっていきます。
ビーチの鮮やかな美しい青色は、ちょうど人間の目にキレイな色だけが跳ね返って見える深さなのだと言えます。

また、汚い海が青く見えないのは水以外に様々な成分や浮遊物が存在するため、海底に届く前に光がそれらにぶつかってしまうことが原因です。
水質がきれいな方が、海底まで光が邪魔されず届くため、透明度が高くなるし、青色の反射が鮮やかに人の目に届くという事になります。

また海底にある物質や水に含まれる成分により光の反射の仕方が異なるため、中国の有名観光地である九塞溝のように鮮やかな青緑色になる湖なども存在しています。

中国の人気観光地九塞溝のエメラルドグリーン

いまあなたが見ている物体はすべて光の反射で色が決定している

真っ暗な場所では人は色を認識できません。なぜなら「光」がないからです。
世の中の物体の色はすべて光が反射し人の目に飛び込んでくることで決まります。
色ごとに異なる光の波長が、ぶつかる物質・素材の性質によって反射や吸収のされ方が異なることで人は最終的なその物体の「色」として認識します。

今あなたが見ているスマートフォンに映る画面の色も本体の色も、そばにいる人の肌の色も、車のボディーカラーもすべてそうなのです。

空が青いのとは仕組みが異なる


海が青いのと、空が青いのは光の仕業であることは同じですが仕組みが異なります。

・海は水中で光の赤が吸収され、青が跳ね返るので青だけ到達します。
・一方で空は空中で青が散乱することで赤より強調されて地上に届きます。


両者結果が同じなので分かりづらいですが、空は夕暮れに赤になります。
これは赤の波長の方が長いため、進む距離も青より長くなります。地上から太陽の距離が長くなる夕暮れでは散乱した青より赤の方が早く目に届くためです。
一方で海は水の性質として赤をそもそも吸収してしまうため、青の反射だけが目に届くことになります。

空と同じ仕組みで海が青いのであれば、距離が延びると海は赤く見えることになってしまいます。
海が赤いこともありますが、それはプランクトン(赤潮)や夕暮れに水面に反射した空の色の仕業でしょう。

海が青い理由まとめ

  • 光の7色のうち青色だけが海底に反射し人の目に届くから
  • 水深が深いと光が届きずらいので色が濃い、逆に浅すぎると青以外も反射するので透明に見える
  • 水質によって光の反射の仕方が変わるので見える色が異なる 水質が汚いと光を邪魔するものが多いので色が濁って見える
  • 人が認識する色は全て光の反射・吸収の仕方によって決まっている(なので光のない暗闇では色を認識できない)

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