「星はなぜ光っているの?」夜空に輝く天体が光る理由くらいちゃんと説明できるようにしておこう

「星はなぜ光っているの?」夜空に輝く天体が光る理由くらいちゃんと説明できるようにしておこう

夜空を見上げると光輝く星々。太陽や月も含め、これらの天体はどのような仕組みで光っているのでしょうか?

山の上で見る満点の星空や、夜を明るく照らす満月、たくさんの流れ星が流れる流星群など、宇宙の天体たちの光輝く姿は人々を感動させます。
多くの星座はギリシャ神話から名付けられたように、古来の人々は夜空の星々を神々しい存在として認識し、現代まで人々の生活慣習にも大きな影響を与えてきたと言えます。

そもそも、この星々がどのような仕組みで光を放っているか知っていますか?

結論:自ら核融合を起こして燃えて光る「恒星」と恒星の光に反射して光る「惑星・衛星」がある

自ら光る恒星

星が光る理由には2通りあります。地球の夜空に見える星々のうちほとんどが自ら光を放っている「恒星」と呼ばれる星です。
恒星は星の中心で水素などのガスが核融合を起こして自ら燃え続けています。
星の内部で核爆弾がずっと爆発し続けているような状況で、強り光を放っているのです。
太陽系のうち恒星は太陽だけです。

核融合で燃え続きている恒星ですが、いつか燃え尽きる時がきます。その際に大規模な爆発を起こすのですが、それを「超新星爆発」といいます。
一生を終える星なのに「新星」と呼ぶのは、昔の人が最後の爆発で強く光を放つ星を観測した際に、新たな星が誕生したように見えたことからそう呼ばれるようになったもので、紛らわしいのですが新しい星ではないです。

最近ではオリオン座と冬の大三角形を構成する星の一つであるベテルギウスという巨大な星が、超新星爆発するのではないかと言われています。
宇宙の時の流れでいうとそれが来年なのか、100万年後なのか定かではありませんが、終焉が近づいていることは間違いないようです。
地球からも観測しやすい代表的な星座の一つであるオリオン座の星の1つが無くなるのはさみしいものですね。

冬の大三角形とオリオン座(画像中心上部、オリオン座の左上を成す星がベテルギウス)

恒星の光を反射し光る惑星・衛星

地球は自ら光っていません。同様に自ら光らず恒星を中心にその周囲を回っている星たちを「惑星」といいます。
また、惑星を中心にその周囲を回っている星を「衛星」といいます。
地球の唯一の衛星はおなじみの月ですね。

太陽という恒星を中心に回る惑星たちは、太陽系の惑星である「水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星」の8つです。
1930年に発見され、惑星とされていた冥王星は2006年に準惑星として位置づけられたことで、太陽系の惑星から外れました。

太陽系の惑星(実際の距離感とは異なる)

これらの惑星や衛星のような星たちは、煌々と燃えて光る太陽の光を反射して光っています。

反射した光である分、届く距離も短いため、地球から観測できる星のほとんどが恒星です。
地球の隣にあり、地球と同じくらいの大きさがある金星は「宵の明星」と呼ばれるように強く光っていますが、金星までの距離は約4,200万km。
天文学的には相当な近距離です。

一方で、地球からベテルギウスまでの距離は642.5光年。1光年が約9兆5000億kmですので桁違いの距離ですが地球から容易に観測できるほど強い光を放っていることが分かります。

1光年は光の速さで1年かけて進む距離ですので、ベテルギウスの光は642.5年前の光が地球に到着しているということになります。
今の地球から観測できるベテルギウスは600年以上も前の姿ですので、もしかしたらすでに消滅しているかもしれません。

流れ星はなぜ光るのか?

恒星と惑星・衛星のほかに、光る星としては流星がありますよね。
たまに流星群が地球に近づき、たくさんの流れ星が観測できます。
多くの人々が天体観測にでかけて、その神秘的な天体ショーを楽しんでいます。

でも実はこの流れ星、星ではないのです。流星群などで観測できる流星は、地球上の大気に宇宙から飛来した小さなチリ(流星ダスト)が猛スピードで衝突することで発光したもので、上空100kmあたりで起きています。

その他、光る天体である彗星

恒星・惑星・衛星以外の星に「彗星」があります。

彗星の本体は直径1~10km程度のチリや氷の集合体で、それを核を覆うコマ(英語:coma)という星雲状のガスやダストと、そこから伸びる二種類の尾(青いプラズマの尾であるイオンテイルと、黄色いチリの尾であるダストテイル)で構成されています。
この尾を持つ姿がほうきのように見えるので、日本では「箒星(ほうきぼし)」などと呼んだりしますよね。

太陽への接近を周期的に行う「周期彗星」と、一度だけ太陽に近づいてたらそのまま太陽系のかなたに消えていく「非周期彗星」が存在します。

宇宙空間では凄い速度で移動していますが、流星とは異なり地球から観測すると月や太陽のように空に留まっているように見えます。

流星と彗星を勘違いしがちですが、その光る仕組みや観測高度・大きさなどは全く異なるんですね。

星が光る理由まとめ

  • 恒星は自ら核融合により燃えて光る
  • 惑星と衛星は、恒星の光を反射して光る
  • 流星はチリが大気に衝突して起きる発光であり星ではない
  • 彗星はチリや氷・ガス・プラズマなどで構成され発光する天体で流星とは異なる

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