1年のうちの月のほとんどが30日か31日です。しかし、なぜか2月だけ28日しかありません。その理由を知っていますか?
一年は365日。その暦は太陽の周りを公転する地球が、太陽を一周する時間を一年とし、一回の自転を1日としたことによります。
また、月は地球の周りを27.5日かけ一周し、地球の公転による移動を加味すると概ね29.5日で一周するため一年で約12周することからそれを1月(ひとつき)としています。
365日を単純に12で割ると30.4日になるため、毎月30日か31日を交互に繰り返せばちょうど一年になりそうな気がしますが、なぜ2月だけ28日しかないのでしょうか?
天文学的な理由により2月だけ28日にせざるを得ないなどの理由と思いきや、実はそうではないのです。

結論:昔、ローマの時代に2月は28日と決めたことを未だに使用している
意外ですが現代でも使用されている暦は2000年以上前のローマで生み出されました。何度か修正されているもののいまだに使用されていますのです。
現行で世界各国で採用されているローマ暦はグレオリオ暦という1582年から使用されている太陽と月の動きを双方考慮した1年12月の太陽太陰暦です。
当時のローマでは、偶数は不吉な数字とされており、月は31日と29日を交互に繰り返していました。
また、今と違い春が訪れる3月が一年のスタートとされていて、一年の最終月となる2月だけは清めの月とされ不吉な数字でもよしとされました。
もともとローマ暦は10ヶ月しかなかったのですが、そこに1月と2月を追加したときに2月だけ28日にして調整したのです。
ちなみにこの時代は一年を355日としていました。
そのため2年に一度だけ閏月(うるうづき)をはさんで調整していました。2年に一回は一年が13ヶ月だったんですね。
ローマ暦(ヌマ暦)
順序 | 名前 | 現代の月 | 日数(平年) | 日数(閏年) |
1 | マルティウス | 3月 | 31日 | 31日 |
2 | アプリーリス | 4月 | 29日 | 29日 |
3 | マーイウス | 5月 | 31日 | 31日 |
4 | ユーニウス | 6月 | 29日 | 29日 |
5 | クィーンティーリス | 7月 | 31日 | 31日 |
6 | セクスティーリス | 8月 | 29日 | 29日 |
7 | セプテンベル | 9月 | 29日 | 29日 |
8 | オクトーベル | 10月 | 31日 | 31日 |
9 | ノウェンベル | 11月 | 29日 | 29日 |
10 | デケンベル | 12月 | 29日 | 29日 |
11 | ヤーヌアーリウス | 1月 | 29日 | 29日 |
12 | フェブルアーリウス | 2月 | 28日 | 23日 |
13(閏月) | メルケディヌス | – | 27日または28日 | |
合計 | 355日 | 377日または378日 |
その後、1月を一年のはじまりにしたり、何度か暦の改定が行われて、現代のようなほとんどが30日と31日で構成されるようになりました。
しかし、今でも当時の名残として2月だけは28日となっています。

なぜ現代の閏年(うるうどし)は4年に一度二月に29日なのか?
現在世界各国で使用されている「太陰太陽暦(グレゴリオ暦)」は非常に正確なのですが、それでもズレは発生します。
一年を365日・1日24時間と定義している以上、自然現象である天体の移動する時間とピタリと一致するわけではありません。
地球は厳密には365日ではなく、およそ365.24219日で太陽軌道を一周します。この一年に発生する約0.242日(4年で約0.968日≒1日)をどこかで調整しなければなりません。
現代の最終月は12月ですので、4年に一回だけ12月を32日にすればいいのかもしれませんが、古くからの慣習として日数の少ない2月で調整しているのです。
なお、閏年は4の倍数である年にあります。夏季オリンピックと同じタイミングですので覚えやすいですね。
ただ、4年でのズレも正確に1日というわけではないため、それを調整するため100の倍数の年は平年となります。そしてさらに、100と400の公倍数は閏年となります。
- ・・・4の倍数は閏年 例)2004年、2008年、2012年・・・
- ・・・100の倍数は平年 例)2100年、2200年、2300年・・・
- ・・・100と400の公倍数は閏年 例)2000年、2400年、2800年・・・
2月28日である理由まとめ
- 現代の世界で使われている標準的な暦は2000年以上前に生まれたローマ暦が何度か改変されたもの
- 当時のローマは2月が最終月であった
- 当時偶数は不吉とされ、毎月29日か31日だったため最終月の2月でつじつまを合わせた
- 2月は最終月なので清めの月とされ偶数でもいいとされた
- その名残でいまだに2月は28日であり、閏月も2月となっている