「オーロラはなぜ発生するの?寒いから?」人生で一度は見てみたいオーロラはなぜ光るのか

「オーロラはなぜ発生するの?寒いから?」人生で一度は見てみたいオーロラはなぜ光るのか

神秘的な美しさを放つオーロラ。一部の地域でしか見られないオーロラが発生する仕組みを説明できますか?

その神秘的な魅力から大人も子供も魅了する自然現象であるオーロラ。人生で一度はその目で見てみたいものですよね。

オーロラは北米大陸でも極北のカナダやアラスカ、ヨーロッパではフィンランド、ノルウェー、スウェーデン、アイスランドなどの北欧など地球上でも一部の地域でしか観測できません。

なぜ、こういった寒い地域でのみ発生するのでしょうか?

結論:太陽風によって発生したプラズマが地球の南極・北極点で大気に衝突して発光するから

太陽の表面にはコロナと呼ばれる100万度以上の密度の低く超高温の薄い大気があります。コロナでは、その高い温度から気体が電子と陽イオンに電離したプラズマ状態になっており、太陽の重力でもつなぎとめることができず放出されたプラズマを太陽風といいます。
特に太陽フレアという爆発が起こると高速でプラズマが放出されます。

この太陽風は地球まで押し寄せてくるのですが、地球の磁場と大気に阻まれて地球の裏に回り込み、その後地球の磁場に乗って北極(N)か南極(S)に流れ込みます。
地球は大きな磁石であることは理科で習ったと思いますが、磁極は北極と南極にあるので、プラズマはそこに流れ込むのです。

その際に地球大気中に存在する酸素や窒素の電子にプラズマが衝突することによって、酸素や窒素が発光します。これがオーロラの光の正体です。

酸素や窒素を構成する電子は、原子核を中心にその周囲を回っていますが、太陽から来たプラズマが衝突することで軌道がズレます。これを「励起状態」といいますが、そのままでは不安定であるため元の軌道(基底状態)に戻ろうとします。
その戻った際に発生したエネルギーによって光るのです。
戻るための運動エネルギーではなく、電子の衝突で与えられた余分なエネルギーを元に戻る際に放出することで光っています。

また、励起状態と基底状態との移動する距離によって放出するエネルギーが異なり、それにより発生する光の色が異なります。
エネルギーが大きいと紫やピンクに近い色で、中間だと緑、小さいと赤という色になります。

強いプラズマのエネルギーが必要となる紫のオーロラは発生が珍しい

現代ではLEDが主流のためあまり見かけなくなりましたが、ネオンサインの発光はこの仕組みを応用しています。

寒いからオーロラが出るのではない。オーロラが出る地域がたまたま寒い。

オーロラが発生する条件満たした地域をオーロラベルトなどと呼びます。
オーロラベルトに入っている地域はどこも寒い国であるため、「オーロラは寒い地域に出る」と思いがちですが、正しくは「オーロラが出る地域が寒い」が正解です。

地球は太陽との公転軌道から約23.4度傾いています。この傾いた地軸を中心に自転しています。
地軸の中心がある北極や南極に近いような地域は一年を通して太陽の光が届きづらいため寒いです。
そこに磁極があるためオーロラが発生するのです。
したがって、オーロラの発生において寒さは相関関係であり、直接の因果関係はないのです。

地球は23.4度傾斜している figure via Wikipedia

オーロラツアーができる場所

ここまでの解説でオーロラが発生する原因とオーロラが発生する地域が分かったと思いますが、具体的にオーロラを見に行くことができる地域をピックアップしてみました。
日本からだとなかなか遠い場所ばかりですが、人生で一度は行ってみたいものですね。

北米

  • カナダ・・・ホワイトホース
  • カナダ・・・イエローナイフ
  • アメリカ(アラスカ州)・・・チナホットスプリングス
  • アメリカ(アラスカ州)・・・フェアバンクス

ヨーロッパ

  • フィンランド・・・ロヴァニエミ
  • フィンランド・・・サーリセルカ
  • ロシア・・・ムルマンスク
  • スウェーデン・・・キルナ
  • ノルウェー・・・トロムソ
  • アイスランド・・・レイキャヴィク

オーロラが発生する理由まとめ

  • 太陽から太陽風(プラズマ)は放出される
  • 地球の磁場に乗って磁極にプラズマが流れ込む
  • プラズマの電子が大気中の酸素や窒素の電子に衝突する
  • 衝突した酸素や窒素の電子が原子核の軌道からズレ、元に戻る際にエネルギーを放出し光る

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