一年中を通して当たり前のように空に浮かんでいる「雲」。大人ならなんとなく雲が何でできているかは分かっていると思いますが、どうやってできるかちゃんと説明できますか?
夏の日に高くそびえる入道雲。秋晴れに広がるうろこ雲。四季を感じる様々な種類の雲がありますが、そもそも雲ってどうやってできているの?
結論:水蒸気が上空で冷やされてできた水や氷の粒のかたまり
空気には湿度がありますよね。つまり空気は水分を含んでいます。
水分が蒸発して気体になっている状態を「水蒸気」と呼びます。
こういった水蒸気が、上昇気流に乗って上空へ昇り、上空の冷たい空気に冷やされることによって水や氷の粒になります。
その集合体が雲です。気体が固体に変わったら空から落ちてきそうですが、沸騰したお湯から白い湯気が立つように、温度によって重さの異なる空気や気流に乗って空に留まっています。
もちろん、その水や氷の粒が地上に落ちてくることもありますよね。
それが雨や雪、ひょうやみぞれなのです。
暖かい空気は重さが軽いので上空へ上昇していきます。これが上昇気流が発生する仕組みです。
湿度の高い夏。地表で暖められた水蒸気がどんどん上空へ昇っていき、冷たい空気に冷やされて入道雲のような層の厚い雲が発生します。
空気の温度による重さと、それによって生じる気圧差などの解説は、こちらの風が発生する仕組みを説明した記事でも説明しているので合わせてご覧ください。
同じ仕組みで起きる日常の現象
寒い日に息を吐くと、吐息が白くなりますよね。
これは水分を含んだ吐息が外気で冷やされることによって水の粒になることで発生します。
氷水の入ったコップの外側に結露が発生するのも、コップの周辺の水蒸気が冷たいコップに冷やされることで水に変わります。
冬の窓ガラスに結露が発生するのも、室内の水蒸気が水に変わることで発生します。乾燥する冬ですが、室内で加湿器を炊くと室内の空気が含む水分が高まりますので、窓際で冷やされた空気はより多くの結露を生じさせることになります。
暖かい夏に雹(ひょう)が降る時がありますが、これは暖かい地表近くの水蒸気が上空で一気に冷やされて凍ったことで雹となり降ってきてたのです。
水分をたくさん含んだ暖かい空気が温度差によって急激に冷やされることで起きるため、地上が暖かくても雹が発生することがあるのです。
むしろ冬より地上と上空の気温差が発生しやすい春や秋の方が雹は降りやすいのです。
様々な種類の雲
雲にも色々な種類がありますよね。その形状や高度によって10種類に分類されています。
上層雲
巻雲(けんうん・すじぐも) | 5,000?16,000m |
巻積雲(けんせきうん・うろこぐも・いわしぐも) | 5,000?15,000m |
巻層雲(けんそううん・うすぐも) | 5,000?15,000m |
中層雲
高積雲(こうせきうん・ひつじぐも・むらぐも) | 2,000?6,000m |
高層雲(こうそううん・おぼろぐも) | 2,000~7,000m、気象条件により13,000mにも |
乱層雲(らんそううん・あまぐも) | 2,000?5,000m程度、気象条件によって地表付近?10,000m |
下層雲
層積雲(そうせきうん・うねぐも) | 500?2,000m |
積雲(せきうん・わたぐも) | 500?2,000m~10,000m |
層雲(そううん・きりぐも) | 地表付近?2,000m |
積乱雲(せきらんうん・にゅうどうぐも、かみなりぐも) | 地上付近?16,000m |
雲が発生する理由まとめ
- 空気は水分を含んでいる(気体になった空気=水蒸気)
- 水蒸気が上昇気流に乗って上空へ昇る
- 上空の冷たい空気に冷やされて水蒸気が水や氷の粒になる
- 上空の水や氷が集合したのが雲である